2025年6月2日㈪
【食Pro. (食の6次産業化プロデューサー) レベル3】の認定をいただきました。私は「製造×販売」畑で育ちました。その知見を活かし、支援者として、食を支える農業の活性化も応援していきます。

農業を続けたい、農業を未来につなげたいという想いを形にする。6次産業化はそれを後押してくれる選択肢の一つです。今回は、注目されている農業の6次産業化について書いてみたいと思います。
※農林漁業関係をまとめて “農業” 、“農家” と表現しています。
目次
1.『このままではいけない』と感じたら踏み出すサイン
🌾『収穫した作物が思うように売れない』
🌾『手間ひまかけても価格が上がらない』
🌾『後継者もいないし、続けていけるだろうか』
記録的な猛暑や干ばつによる生育不良、病害の多発。農家さんにとって過酷な状況が続いています。自然相手で予測できないことが多く、収入も不安定になりがち。農業は地域や私たちの暮らしを支えてくれる仕事なのに、経営の視点で見ると「不確実性が高く、頑張っても報われにくい」仕事になっているかもしれません。
今こそ「6次産業化」という新しい道を探ってみる価値があるのではないでしょうか。
2.「6次産業化」とは? 実は身近な発想です
6次産業化とは、農林漁業 (1次産業) に、製造業 (2次産業) と小売業等 (3次産業) の要素を加えて、農林水産物に新たな付加価値を与えていく取組です。“加えて” と言っても足し算ではなく掛け算。
6次産業=1次×2次×3次 (生産×加工×流通販売)。そして、中心は農林漁業です。
たとえば、
🌾自分の果物をジャムにして、直売所やカフェで販売する
🌾米を米粉にして、地元のパン屋とコラボ商品を作る
🌾観光農園や農家カフェで、地域の人や旅行者とつながる
決して特別なものではなく、農家さんができることから少しずつ始めていく取組です。
3. 農家さんだからこそ伝えられる “本当の価値”
6次産業化は、単に「加工して売る」ことが目的ではありません。
すでに食品メーカーや小売大手が存在する土俵で勝負するには、農家さんだからこそ持っている “強み” をしっかり伝えていくことが大切です。
たとえば、
🌾地域ならではの素材や文化を生かした商品
🌾小規模だからこそできる丁寧な手作業
🌾作り手の想いや背景が感じられるストーリー性
誰にでも真似できるものではありません。お客様から「安心できる」「応援したくなる」と感じていただけるポイントです。
このポイントをどう伝えていくか。それは、「誰に届けたいか」「どんな人に選んでもらいたいか」を考えることで見えてきます。マーケティングの発想です。
4. 小さな一歩が大きな変化へ
「いきなり新しいことを始めるのは不安」「加工なんて自分には…」という気持ちは当然のことです。
でも、6次産業化は最初から完璧を求めなくても大丈夫です。
🌾地元の加工所に頼んで、少量の商品を作ってみる
🌾近くの直売所で、お試しで並べてみる
🌾育てている様子や想いを、SNSで少しだけ発信してみる
「小さなチャレンジ」が、新たな道につながります。規格外の野菜を使ったピクルスを出したところ地域の飲食店から声がかかり、コラボ商品へと発展した農家さんもあります。小さな一歩が未来を大きく変えることもあるのです。
5. イメージだけでは続かない。だからこそ「計画」を立てる
意識しておきたいのが「事業計画」です。
自分がやりたい事業の内容を整理し、数字やスケジュールを明確にする。漠然としたイメージを計画として見える化することで、「現時点で無理のない規模感」「失敗を抑えるスタートライン」などが明確になります。
たとえば、
🖊まず知っていただくには?そして選んでいただくには?
🖊販売目標と売上・コストのシミュレーションは?
🖊設備導入や借入が必要な場合の返済計画は?
融資や補助金を検討する際にも、計画があると説得力が増しますし、関係者からの協力を得やすくなります。融資を受ける受けないにかかわらず、銀行さんが貸したくなるような事業計画を立てる。それが結果として事業の成功につながります。
描きたい未来、ビジョン 。計画を立てていきましょう!
想いをかたちに。現場主義で課題解決をサポート
弊所は現場主義です。数字を見るだけでなく、経営者様や社員様のお話をしっかり聴き、きちんと現場を見た上で、本質的な課題を洗い出します。
会社によって抱える課題は様々。解決策は一律でなく、個別の状況に合わせたアプローチが必要です。
現場の声を大切にしながら、ご一緒に解決策を考えます。そして、アドバイスで終わらず、実行支援…定期的な振り返りと改善で伴走いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
のり経営企画事務所 乗松寿
